鄭玄と「周礼」
豆瓣
周の太平国家の構想
間嶋潤一
简介
後漢末の鄭玄は『周礼注』を著したが、その礼体系は鄭玄の『周礼』解釈のすべてではない。鄭玄は太平招来・『周礼』制作にいたる周公の事迹を説き、それが昊天上帝の神意であることを明らかにしようとした。本書では、鄭玄の生涯・学問形成の過程、鄭玄が由拠した『尚書中候』の所説、『尚書注』『詩譜』『毛詩箋』に説かれている周公の事迹、鄭玄と同時代の太平道の太平についての考えを取り上げ、周公の『周礼』制作を周公の主宰する周の太平国家構想とみる鄭玄の考えの実相を論証する。
contents
序章 本書の目的と構成
第一章 鄭玄の生涯と経書解釈
第一節 鄭玄の学問形成
第二節 鄭玄『六芸論』と『尚書中候』
第三節 鄭玄『周礼注』とその解釈
第四節 鄭玄の晩年とその学問
第二章 『尚書中候』の太平神話と受命神話
第一節 堯の太平神話
第二節 周公の太平神話
第三節 周の受命神話
第三章 『周礼注』における天神・地示の祭祀
第一節 圜丘祀天と南郊祀天
第二節 方丘祀地と北郊祀地
第四章 『尚書注』における『周礼』と周公
第一節 「堯典」解釈と『周礼』
第二節 「金縢」解釈と周公避居
第三節 『尚書注』と『尚書大伝』−周公居摂の解釈をめぐって
第五章 『詩譜』『毛詩箋』における周公避居と太平招来
第一節 『詩譜』「【ヒン】譜」における周公避居
第二節 『詩譜』「【ヒン】譜」の「【ヒン】国変風」
第三節 「王命」と周公の太平招来
終章 周公の太平招来をめぐる鄭玄の解釈と太平道の太平