皇帝
豆瓣
简介
解 説
悪逆非道の暴君として歴氏に名高いローマ皇帝ネロに新しい角度から焦点を当て、 その半生を描いた作品。ネロの強靭な精神性に照明を当てて、悪の称号に敢然と立ち 向かう心の軌跡を描いた意欲作。この公演がサヨナラ公演となった星組トップスター 麻路さきが、宝塚で培った男役の美学を存分に表現した。
物 語
紀元1世紀のローマ帝国。「太陽の皇帝」と謳われ、英邁との誉れも高い第五代皇 帝ネロは、帝国を平等に治める事に心を砕き、近隣諸国にもその名を轟かせていた。 しかし、最高権力者ネロの母という立場を利用して悪政を行うアグリッピナと、それ を庇い続けるネロに、彼を信奉する臣下達の間からも非難の声が上がり始める。
策謀を巡らせ先代皇帝の妃の座を得たアグリッピナにより、政治の犠牲となってネ ロに嫁いだ先代皇帝の娘オクタヴィアは、ネロと心を通わせる事が出来ず、悲しみに 暮れる日々を送っていた。それは、かつてオクタヴィアの婚約者であったシーラヌス の知るところとなる。オクタヴィアへの愛を封印し、潔く身を引いたシーラヌスにと って、彼女の不幸は許されざる事だった。たとえ血の繋がりはなくとも兄妹であるこ とに変わりはない…ネロはオクタヴィアを愛しく思ってはいたが、それは兄としての 愛情だった。オクタヴィアは、自分も妹としてネロを慕うことを心に決める。
その頃、ブッスル初め、皇帝の親衛隊の面々は、アグリッピナの命を奪う計画を練 っていた。一同は酒宴に紛れてアグリッピナに襲いかかろうとするが、それに気付い たネロに阻まれ、ブッスルは手傷を負う。しかし、この出来事がネロに辛い決断を迫 る切っ掛けとなる。皇帝の使命として、ブッスル達の決起を理解すべきだとの師傅セ ネカの忠告を受けたネロは、自らの手で母を葬る決意をし、アグリッピナに斬りかか るのだった。自分が憎まれれば憎まれるほど、ネロが英傑な皇帝として崇められる、 その為に憎しみの仮面を被り続けた愚かな母を許して欲しい…死に瀕したアグリッピ ナの口から真実が語られた今、ネロの進むべき道は一つしか残されていなかった。ネ ロは、母に汚名を着せぬ為、母の仮面を受け継ぎ、悪逆非道な暴君として生涯を全う する誓いを立てる。こうして悪名高い暴君ネロが誕生した。
ネロを排斥せんと再び終結したブッスル達の申し出を受け、力添えをする為に立ち 上がったシーラヌスは、三日後に控えた総攻撃を前に、オクタヴィアを安全な場所に 停まらせようと説得する。しかし、ネロの本心を見抜いていたオクタヴィアは、皇帝 の妻として最期まで添い遂げるのだと、シーラヌスに別れを告げる。
遂に総攻撃が開始された。ネロは母を殺した日の誓いを守り通し、暴君として終える最期の時を静かに待つのだった…。