日文著述
中国古代史研究の最前線 豆瓣
作者: 佐藤 信弥 出版社: 講談社 2018 - 3
大量の出土文献が、中国古代史研究を変えた――!
われわれ日本人は、日頃から古代中国に親しんでいます。日本語のなかに溶け込んだ故事成語、読み継がれた古典、そして『封神演義』や『キングダム』等のフィクション……。これほど身近な時代でありながら、残念なことに研究の進展はほとんど紹介されず、教科書の記述も古いままです。中国大陸では、国土の開発とともに、金文・竹簡・帛書などの文字史料――すなわち「出土文献」が現在進行形で陸続と発見され、研究状況は劇的に変化しています。本書では、近代以降の研究史と最新の研究状況をもとに、ある面ではフィクションよりもダイナミックな中国古代史の実像を紹介していきます。中国古代史をもっと楽しむため、研究の最前線をのぞいてみましょう。
出土資料と漢字文化圏 豆瓣
作者: 谷中信一 編 出版社: 汲古書院 2011 - 3
【序文】より(抜粋)
本書は、平成一九年度から二一年度に亘る三年間の日本学術振興会科学研究費助成による基盤研究(b)「新出土資料を通してみた古代東アジア世界の諸相―漢字文化圏の中の地域性―」(課題番号:20320009)の研究成果である。本書に収めてある論文一七篇は、いわゆる漢字文化圏で発見された青銅器も含む出土資料全般についての研究論文である。漢字文化圏とは言いながら、中国大陸での新出楚簡に関する論文に集中しているのは、現在の出土状況を考えればやむを得ないことである。われわれ研究グループは、みなそれぞれ異なる研究分野を持ち、それぞれの研究テーマに沿って研究しているのであるが、その一方で全員が出土資料を扱うという共通点を持っている。このことの意義は大きい。なぜならば、出土資料を単眼ではなく複眼で、言い換えれば対象を立体的に見ることができることになるからである。従って、本論文集は単なる研究成果の寄せ集めとは違う。例えば、『凡物流形』に関する論考が四本あるが、これらは全く別々の視点から独立して執筆されたものであり、始めから相互的連関を意図していたわけではないのであるが、先秦思想史や同文化史、中国古文字学、書法史など、それぞれ専攻を異にする立場から議論が展開している。また郭店楚墓の下葬年代をめぐって、思想史研究の立場と考古研究の立場からそれぞれ論が立てられており、両者の言い分は全く相容れないのであるが、読者はそうした白熱した論争に思わず引き込まれてしまうであろう。本論文集に展開される一七篇の論考を足場に新たな知見が掘り起こされ、そしてそこから更に活気に満ちた論争が展開していくならば、編者としてこれ以上の喜びはない。