1973年12月31日ベルリン・フリードリヒシュタットパラストに於けるステレオ・ライヴ録音（Friedrichstadtpalast Berlin Konzertmitschnitt）
今をときめくマリス・ヤンソンスの偉大なる父アルヴィド・ヤンソンス(1914-1984)。レニングラードフィル黄金時代の指揮者を務め、我が国には手兵などと度々来日するのみならず、東京交響楽団にも名誉指揮者として客演を繰り返しました。マリスがインターナショナル的な音楽を志向しているのと対照的に、19世紀にルーツをもつ巨匠らしく、個性的で重厚な表現には圧倒されます。レコードが極端に少ない故に、没後20年少々なのに忘れられかけているのは残念です。実際はレパートリーは非常に広く、優秀なオーケストラ・トレーナーとしても知られ、東京交響楽団初客演時には、「鉛を金に変えた」とまで絶賛されました。第9の録音が残されていたとは驚きですが、旧東ベルリンの大晦日、普段はミュージカルやレビュー上演でお馴染みのフリードリヒシュタットパラストで開かれた祝祭的公演です。内容はシリアスそのものでじっくりと遅いテンポが採用され、噛み締めるような一点一画を疎かにせぬ謹厳なリズム刻みには、頭が下がります。堂々たる威容は、ドイツ伝統的演奏を愛好するマニアも納得の名演と思われます。マリス・ヤンソンス氏もリリースを即決され、WEITBLICKでは、今後もアルヴィド・ヤンソンスの名演を紹介してゆく予定です。英語、日本語、ドイツ語によるライナーノート付。

Conductor – Herbert Kegel
Orchestra – Sächsische Staatskapelle Dresden
Violin – Viktor Tretjakov (tracks: 5 to 7)
Beethoven recorded in the Lukaskirche Dresden between 16th and 20th September 1969 (Stereo)
Shostakovich recorded live in the Kulturpalast Festsaal Dresden on 10th October 1969 (Mono)

1984年3月25日ライヴ STEREO

Schumann: Symphony No. 4 in D minor, Op. 120
Brahms: Symphony No. 2 in D major, Op. 73
·
Dresdner Philharmoniker
Herbert Kegel
Recorded: 1980-10-14&1988-11-22
Recording Venue: Kongresshalle Leipzig, Gewandhaus Leipzig