月の鳥

渋谷毅氏と石渡明廣氏とのデュオアルバム、「月の鳥」が届きました。渋谷毅氏の端正で心のこもった音。時間をかけて削ぎ落とされた無駄がなく、抑制が効いたあたたかみのある音。いつ聴いてもほっとします。加えてギターがいいんです。あっという間に引き込まれてしまいました。音色の独特さ、微妙な音程のはずし方もそうなんですが、共有したいと思わせてくれる、共有していると錯覚させてくれるような詩情を感じさせてくれる音です。5曲目の「BODY AND SOUL」。まいりました。記憶と心にこびりついたジャンゴ・ラインハルトの名演を引き合いに出しても見劣らないし、そのような記憶を忘れさせてくれるぐらい魅力的です。「深く、ゆっくり、上へ」。メロディー、演奏の表情作りの妙。だまるしかないです。力強く良質で前向なセンチメンタリズムを感じる事ができる一枚。
(お茶の水ジャズ館 堀川)
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石渡明廣のやさしくザラついたギターの音に渋谷毅のピアノの音が絶妙に絡み合っている。2人のデュオ、オーケストラの時には気がつかなかった素敵な発見がたくさん詰まった作品に仕上がってます。スタンダードも織り交ぜながら収録曲のタイトルにもあるように、深く、ゆっくり、上へ、と2人の会話が続いていく。ミステリアスでなんとも深いアルバムです。アートワークも絶品です。
(新宿ジャズ館 桑原)
■渋谷毅(p),石渡明廣(

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