东國英華
日本近世白話小説受容の研究 豆瓣
作者: 中村 綾 著 出版社: 汲古書院 2011
【序より】(小松 謙)
この本は、分類すれば日本文学のジャンルに属するものということになるでしょう。事実、論じられている内容は、もっぱら江戸時代の日本のことです。しかし、目次を御覧になればすぐにおわかりいただける通り、ここで取り扱われているのは、『水滸伝』をはじめとする中国の小説がどのように日本で受容されたかです。従って、この問題を研究するに当たっては、中国文学に対する本格的な知識が要求されます。しかも、『水滸伝』の日本における受容について考えるに当たっては、『水滸伝』版本の問題を理解することが不可欠です。そして、『水滸伝』の版本は、中国文学のなかでも最も複雑な問題として名高いものなのです。
この本を読まれる方々のうち、日本文学を主たる興味の対象としておられる方にとって、『水滸伝』版本をはじめとする中国文学の諸問題について、中村さんが正確な理解を持って研究を進めておられるかどうかは、当然ながら重大な関心事ということになるでしょう。そこに、私がこの序文を書く意味があるかもしれません。中国文学、特に『水滸伝』などの白話文学を専門的に研究していた私から見ても、中村さんの中国文学に対する知識と理解は満足すべきものです。特に、『水滸伝』版本の研究については、この問題について重要な業績をあげておられる名古屋大学の笠井直美教授のアドバイスなどもいただきながら、長期にわたって調査・研究を重ねた結果、中国文学研究の方面でも第一級といってよい水準に達しています。従って、中国文学研究者の方も、本書を精読すれば、多くのものを得ることができるに違いありません。
朱子家礼と東アジアの文化交渉 豆瓣
作者: 吾妻 重二 編 / 朴 元在 編 出版社: 汲古書院 2012 - 3
二〇〇九年十一月三日・四日の二日間、韓国慶尚北道安東市の韓国国学振興院において、韓国国学振興院および関西大学グローバルCOE「文化交渉学教育研究拠点」(ICIS)共催の国際シンポジウム「朱子家礼と東アジアの文化交渉」が開かれた。本書はそのシンポジウムの論文集である。
シンポジウムが朱熹の『家礼』と「東アジア」を銘打ったのにはわけがある。南宋の朱熹(一一三〇~一二〇〇)が著わした『家礼』は朱子学の広範な伝播とあいまって、中国のみならず、朝鮮、ベトナム、琉球、日本などの東アジア地域にさまざまな影響をもたらしたからである。『家礼』とは冠婚喪祭(冠婚葬祭)を行なうための手引書であり、近世以降、この地域において日常の通過儀礼や死者儀礼のための重要なマニュアルと目されてきた。しかし、これまで儀礼研究が立ち遅れていたこともあって、その具体的な様相は必ずしも明らかになっていなかった。そこで本学と研究協力協定を結んでいる韓国国学振興院とはかり、広い視野から『家礼』をとりあげるシンポジウムを企画、開催したのである。
東アジアの国際秩序と古代日本 豆瓣
作者: 廣瀬憲雄 出版社: 吉川弘文館 2011 - 10
日本・中国・朝鮮の東アジア地域に、吐(と)蕃(ばん)・契丹(きったん)・回鶻(ウイグル)など北方・西方の勢力まで視野を広げると、いかなる国際秩序がみえてくるのか。日本の対隋唐・新羅・渤海の対外関係を、外交文書(国書)と外交儀礼(賓礼)から分析。名分関係と服属思想の検討から、文書様式の変遷と儀礼の変化を探り、東アジアの多元的な国際秩序に古代日本を位置づける。
中世武家官位の研究 豆瓣
作者: 木下 聡 著 出版社: 吉川弘文館 2011 - 11
南北朝から戦国期の受領官途や位階が持った意義・性格を、幕府・織豊政権による任官・叙位を含めて検討。「礼の秩序」を解明する。
官位(官職と位階)が武家に果たした役割とは何か。左馬頭、衛門督・兵衛督、四職大夫、守・介などの受領官途や、位階が持った意義と性格を、室町幕府・織豊政権による任官・叙位、官途による序列を含めて検討する。近世へと繋がる武家と官位の関わりを、南北朝から戦国期までを中心に探り、政治や社会を規定していた「礼の秩序」を解き明かす。