David Healy — 作者 (6)
ファルマゲドン薬 [图书] 豆瓣
Pharmageddon
作者: David Healy 译者: 田島 治 / 中里 京子 publishing house: みすず書房 2015 - 4
薬への依存が著しい今日の医療分野では、製薬産業と医学界、行政、臨床医まで巻き込んだ形で
深刻な構造問題が拡がっているという。かつて、著書『抗うつ薬の功罪』で抗うつ薬が自殺を惹起する
という衝撃的な副作用を告発したインサイダーであるヒーリーが、この巨大な背信の構造を明らかにする。
なかでも、臨床試験データの隠匿や改竄などの不正操作、医学論文のゴーストライティングの問題を
徹底して追及している。そこからは、科学への信頼を逆手にとった医薬のマーケティングが、学者や医師の
コンセンサスを乗っ取って特許薬の需要をつくりだし、医療と医薬のあらゆる側面が人間よりもその経済に
奉仕させられているという、ディストピア的様相が浮かび上がる。
これに対してヒーリーは、濃霧を晴らすような抜本的な改革案を提示している。臨床試験の生データの公開、
医薬品の特許制度および処方箋薬制度の見直し、ユーザーが持つ副作用情報のグローバルな集積と活用など
──いわば、医薬に関する知識と権限をユーザーに解放し、ボトムアップでディストピアを解体するという構想である。
Mania [图书] 豆瓣
作者: David Healy publishing house: Johns Hopkins University Press 2011 - 8
This provocative history of bipolar disorder illuminates how perceptions of illness, if not the illnesses themselves, are mutable over time. Beginning with the origins of the concept of mania-and the term maniac-in ancient Greek and Roman civilizations, renowned psychiatrist David Healy examines how concepts of mental afflictions evolved as scientific breakthroughs established connections between brain function and mental illness. Healy recounts the changing definitions of mania through the centuries, explores the effects of new terminology and growing public awareness of the disease on culture and society, and examines the rise of psychotropic treatments and pharmacological marketing over the past four decades. Along the way, Healy clears much of the confusion surrounding bipolar disorder even as he raises crucial questions about how, why, and by whom the disease is diagnosed. Drawing heavily on primary sources and supplemented with interviews and insight gained over Healy's long career, this lucid and engaging overview of mania sheds new light on one of humankind's most vexing ailments.
双極性障害の時代 [图书] 豆瓣
Mania: A Short History of Bipolar Disorder
作者: David Healy 译者: 江口 重幸 / 坂本 響子 publishing house: みすず書房 2012 - 11
大きな反響を得た前著『抗うつ薬の功罪』につづく渾身の告発であると同時に、
第一級の精神医学史研究たりえている重要作。
双極性障害──かつて「躁うつ病」と呼ばれ、けっして多くはなかった障害──が、
昨今はなぜか身近な病気になりつつある。うつ病患者や小児も巻き込んで、すでに米国では深刻な医療ハザードを生んでいるこの状況の背景には、
「気分安定薬」の市場拡大を狙う製薬産業のマーケティングと、精神医療の視線自体の変質が……。
著者は双極性障害をとりまく事実と虚構、そして、「双極性(バイポーラー)」概念の濫用が広がる最新の様相を明らかにする。
過去には、複雑な気分障害の構造を解きほぐそうとするさまざまなアプローチや概念が試され、
それらの盛衰の末に、かりそめでない理解の土台が形成されつつあった。
そうした先学の蓄積さえも歪曲しながら、精神医学と精神薬理業界が「科学的根拠」をめぐる倒錯を深めている現状を、
著者は歴史の検証を通して説得的に示している。
気分障害の診断枠が薬に合わせて変形され、その診断枠によって薬が正当化されるという、
今日のマッチポンプ的構造の危うさに、あらためて衝撃を受ける。「自己」についての私たちの認識までが、
薬の特許のサイクルに同期して塗り替えられる時代がきていると、ヒーリーは警告している。
抗うつ薬の功罪 [图书] 豆瓣
Let Them Eat Prozac: The Unhealthy Relationship Between the Pharmaceutical Industry and Depression
作者: David Healy 译者: 田島 治 / 谷垣 暁美 publishing house: みすず書房 2005 - 8
全世界で年に数兆円を売り上げている抗うつ薬SSRI(プロザック、パキシルなど)。本書はSSRIの、うつ病患者の自殺衝動を強めるというショッキングな副作用に焦点をあてる。この副作用のリスクは1990年に最初に研究論文のかたちで報告されたが、2004年以降に米・英・EUの薬事監督庁が製品への警告表示を指導するなどの対応をとりはじめるまで、産官学にまたがる関連業界から実質的に黙殺されつづけた。
副作用のリスクを認めたうえで、ある種の鎮静剤を併用したり、服用量を減らすことでリスクを最小限に抑えながら本来の効果を得ることができたにもかかわらず、なぜリスクの存在自体が否定されなければならなかったのか。
著者は産官学すべてのインサイダーを経験した無二の証人としてこのスキャンダルを報告する。ビッグ・サイエンス化する医薬品の開発および許認可プロセスの現状と、そこに複雑にからむ産官学の利害構造など、副作用の過小評価につながる数々の誘因のディテールがきわめて具体的に語られる。
SSRIの功罪の多角的分析や訴訟の詳細などのミクロな情報と、生物学的医療の時代の死角を照射するマクロな視点との、二つの次元で核心を語る貴重な証言である。また、精神医療の未来を占う側面もある。実際、原書の刊行後に、SSRIの副作用や臨床試験データの扱いに関して、主流の見解は著者の主張する方向へ大きくシフトした。
〈電気ショック〉の時代 [图书] 豆瓣
Shock Therapy: The History of Electroconvulsive Treatment in Mental Illness
作者: David Healy / Edward Shorter 译者: 川島 啓嗣 / 青木 宣篤 publishing house: みすず書房
「発見から70年経った今日、なぜ電気けいれん療法(ECT)が
患者や多くの医師からひどい汚名を着せられているのだろうか?
ECTはある意味において精神医学のペニシリンである」
19世紀後半に至るまで、精神科治療は鎮静に限られていた。1900年以降に
精神薬理学の進歩が起こったのちも、症状の波に襲われているさなかの統合
失調症とメランコリーの患者にとっては、医学は何の救いにもならなかった。
家族は絶望し、カルテでは自殺のことが絶えず話題に上がった。
そんな失意の時代にあった精神科治療に光をもたらした「ショック療法」は、本当に
非人道的で危険なだけの治療法なのだろうか? 本書はECTのみならず、その前
史となるインスリン昏睡療法やメトラゾールけいれん療法、そして近年のニューロ
モデュレーションへと至る、精神科における身体療法の系譜を描くものである。
精神科治療においてECTの有効性が再評価されつつある今日、身体療法のパイオニア
となった医学者たちの足跡を追い、ショック療法がなぜこれほどまで忌避されてきたのか、
その悲運の歴史を紐解く。
当事者たちの証言と膨大な文献・資料を渉猟し、互いに翻弄しあう20世紀の社会と
精神医学界を描き切った、二人の医学史家による快著である